※太洋テクノレックス株式会社独自の用語、用法を含んでおり、一般的な解説とは異なる場合があります。
英数字
- 2色めっき
- ひとつのFPCの中で、挿入端子部はNi/Auめっき、部品実装ランドは防錆処理といったように部位ごとに異なる2種の表面処理を行うこと。
- 2層材
- FPC用の基材のうち、ベースフィルム層と銅箔層の貼り合わせのために接着剤を使用していないもの。一般に、3層材より高価であるが、薄く柔らかい。
また、寸法安定性も3層材より優れている。接着剤レスなので必然的にハロゲンフリー対応となる。
- 3層材
- FPC用の基材のうち、ベースフィルム層と銅箔層の貼り合わせのために接着剤を使用したもの。一般に、接着剤を使用しない2層材より安価。
- ACF
- 異方性導電フィルム。金属粒子を熱硬化型接着剤に混ぜ合わせたペースト状の材料。ガラスパネルとFPC、あるいはFPC同士、ICとFPCなどの接合に用いる。接合は熱圧着により行われ、縦方向には導電性、横方向には絶縁性を持つことになる。
- ACF圧着
- ACF(異方性導電フィルム)を用いて、ガラスパネルとFPC、あるいはFPC同士などを接続させるため、加熱、加圧を行う加工。
- ACP
- 異方性導電ペースト。金属粒子を熱硬化型接着剤に混ぜ合わせたペースト状の材料。ガラスパネルとFPC、あるいはFPC同士、ICとFPCなどの接合に用いる。接合は熱圧着により行われ、縦方向には導電性、横方向には絶縁性を持つことになる。
- AOI
- 導体パターン検査に用いられる自動光学検査装置。製品と設計データとの比較照合による相違点を自動検出する。Automated Optical Inspection。
- LCP
- 液晶ポリマー。ポリイミドよりも低誘電であることから、特に高周波領域で使用するFPCのベースフィルムとして採用される合成樹脂。
- L/S
- 導体パターンのライン・アンド・スペース(線幅/線間)のこと。L/S=0.1mm/0.1mmのように表記する。
- NC加工
- 座標データにより指定される位置にドリル穴あけなど行う機械を用いた加工。スルホール形成におけるドリル穴あけはNC加工が一般的である。
- Ni/Auめっき
- ニッケル、金を析出させるめっき。ニッケルは下地の役割。
- RoHS
- 特定有害物質の使用制限についてのEU(欧州連合)による指令。Restriction of Hazardous Substances。
- Roll to Roll法
- 基材、カバーレイなどのロール状に巻かれた材料を、切断せずにそのまま加工する方法。大ロットの加工に効果的。
- SEM
- 電子顕微鏡。Scanning Electron Microscope。
- Sパラメータ
- 電子部品や電子回路の高周波特性を表すために使用される回路網パラメータのひとつ。電子部品や電子回路の回路網に対して、各周波数ごとの、通過、反射電力などのパラメータが含まれている。
- TDR
- Time Domain Reflectmetry。時間領域反射率測定法。サンプルの特性インピーダンスを測定する手法。ステップ波の電圧を印加し、電圧の時間的変化測定することで、任意の位置における特性インピーダンスを測定する。Sパラメータの結果から計算する手法もある。
- UL
- アメリカの試験機関。材料、部品、製品の安全規格の制定、試験、承認登録、検査などを行っている。Underwriters Laboratories。
- ULマーク
- ULの承認を得ている製品であることを示すマーク。FPCの場合、導体パターンやシルクにより表示することが多い。
- VRS
- AOIに付随する確認機。AOIが検出した相違点の座標データを読み込み、当該部の画像をモニターに映し出す。検査員がその画像を見て良否判定を行う。
ア行
- アイパターン
- 電気信号の品質を評価するグラフのひとつ。信号波形の遷移を多数サンプリングし、重ね合わせてグラフ化する。信号の位置(タイミング)や電気信号の電圧の区切りがはっきりしていれば、信号品質が良いと判断する。
- アスペクト比
- 微細加工における径に対する高さの比率。アスペクト比=「高さ/径」で表され、この数値が低い方が加工が安易となる。
- 圧延銅箔
- 銅の塊をロール間を通して圧延(少しずつ薄く)したもの。その為、結晶構造が電解銅箔とは異なり、屈曲性に優れる。工法上、薄くなればなる程製造コストが上がる。
- 圧着端子
- ACF圧着用のFPC端子。端子間ピッチは圧着対象物のそれと同じであるが、圧着加工時に伸縮が生じることを加味して、FPC側に寸法補正を入れておく場合がある。
- アディティブ
- 銅を張っていない基板表面に導体をめっき析出させて導体パターンを作る方法。足し算の考え方。
- インクレジスト
- カバーレイと同じ目的で、導体パターンを被覆する熱硬化性樹脂。FPCへの塗布(スクリーン印刷)、硬化(乾燥)により形成する。
- ウィスカ
- 金属の表面に出来る髭状の結晶であり、短絡の要因となることも。錫の表面に発生しやすいことで知られ、鉛フリーはんだ使用時に発生が懸念される。
- 打ち抜き加工
- 金型、トムソン型などを用いたプレス加工。
- 埋め込み性
- 表面の凹凸を埋め込む性質。カバーレイの接着剤層は導体パターンの凹凸を埋め込む必要があり、接着剤が十分な厚みであることだけでなく、熱プレス時の温度や圧力、クッション材の構成が重要となる。
- エッチファクタ
- エッチングで形成された導体パターン断面は台形形状のようになる。この台形の側面の傾斜を表す値のこと。エッチファクタが大きいと傾斜は急であり、小さいと傾斜が緩やか。エッチファクタが大きいほど配線パターンのトップ、ボトムの差が小さくなるということであり、微細パターンの形成に適す。
- エッチング
- サブトラクティブ法での導体パターン形成において、銅箔をエッチング液で化学的に腐食溶解させること。
- オープン
- 電気的に接続していないこと。不良モードとしての導体パターンの断線。
カ行
- 加速試験
- 電子部品などの信頼性や寿命を予測する為に、実際の使用環境よりも厳しい環境下で行う劣化試験。
- 金型
- FPCの外形などの打ち抜き(プレス加工)に用いる型。プレスによりパンチ(凸側)とダイ(凹側)が嵌合して打ち抜きされる。高価であるが、精度、耐久性に優れ量産FPCの製造に適している。
- 片面FPC
- ベースフィルムの片面にのみ導体層を持つ構造のFPC。薄く、折り曲げ可能というFPCの特性を最も発揮する構造と言える。
- カバーレイ
- 導体パターンの絶縁・保護・屈曲性向上などを目的として導体パターン上に貼り合わせるフィルム。ポリイミド等の樹脂に熱硬化型接着剤(エポキシ系)がコーティングされたもの。
- ガラスエポキシ、ガラエポ、G.E
- ガラス繊維にエポキシ樹脂を染み込ませて熱硬化させて板状にしたもの。FR-4。
- 仮貼り
- カバーレイや補強板など、熱硬化型接着剤付きのフィルムを熱プレスする前に位置決めしてミニアイロン等で部分的に仮圧着すること。
- 感圧接着剤
- 両面テープ、粘着材のこと。タック性があり、少しの加圧で接着する。
- 感光性カバーレイ
- カバーレイと同じ目的で、導体パターンを被覆する感光性樹脂。FPCへの貼り合わせ、露光、現像、硬化(乾燥)により形成する。フォトレジストが液状でありスクリーン印刷によりFPCに塗布するのに対し、感光性カバーレイはフィルム状であり貼り合わせ加工となる。
- 基材
- 銅張積層板。ポリイミドなどの絶縁性を持つベースフィルムに、導体層となる銅箔を貼り付けたFPC用の材料。
- キット品
- 複数のFPC個片をパネル上に面付けした状態の製品のこと。大量生産において、表面実装はパネル単位で行う方が効率が良いためキット品とすることがある。その場合、実装後にパネルから各個片を切り離すことになる。
- 共晶はんだ
- 錫、鉛の合金比が6:4のはんだ。融点が183℃と低いため広く採用されていたが、近年は鉛が有害とされ使用が制限される傾向にある。
- クイックプレス
- 熱プレスの方式のひとつ。所定の温度に設定したプレス板に、材料を1枚ずつセットし、比較的短時間の加熱、加圧を行う。通常、その後にキュアーを行い、熱硬化型接着剤の硬化を促進させる。
- クリアランス
- すきま、空間。例えば、導体パターンから外形までのすきまを外形クリアランスと言う。マージンという言葉もほぼ同じ意味で使われる。外形マージンなど。
- クリームはんだ
- はんだの粉末をフラックス等に混ぜてペースト状にし、メタルマスク印刷できるようにしたもの。
- 現像
- 露光済み感光性樹脂膜の紫外線照射されていない部分を選択的に溶解、除去すること。
- 高柔軟FPC
- ポリウレタンなど高い柔軟性を持つ材料をベースフィルムやカバーレイとして使用した高機能FPC。使用時の伸縮や捻じれの動きに対しても導通が維持できる。
- 高周波FPC
- LCPなど低誘電の材料をベースフィルムやカバーレイとして使用した高周波領域での使用に対応した高機能FPC。
- コンフォーマルBVH
- ブラインドビアの形成において、レーザ穴あけ部の銅箔を予めエッチングにより除去しておく製法。これに対し、銅箔ごとレーザで穴あけする製法をダイレクトBVHと呼ぶ。BVH:Blind Via Holeの略。
サ行
- 最外パターン
- 最も外側の、つまり最も外形に近い導体パターンのこと。
- 座切れ
- スルホールの穴あけズレもしくは導体パターンの露光ズレにより、スルホールがスルホールランドからはみ出し、一部欠損した状態となる不良モード。
- ザグリ加工
- 多層FPCなどにおいて、内層の一部を露出させるために当該部の外層を剥離する加工。
- 差動インピーダンス
- 差動ペア配線におけるインピーダンス。電気信号が流れる時に発生する電界と磁界が、ペアである2本の導体パターン間で相互に影響し合うため、特性インピーダンスとは異なる値を示す。
- サブトラクティブ
- ベタ銅箔に対して配線部以外の銅箔を除去することで導体パターンを作る方法。引き算の考え方。
- 酸化被膜
- FPCの銅箔および銅めっき表面は、空気中の酸素により酸化被膜が形成される。酸化被膜はめっきやはんだ付けの阻害要因となる。
- 酸処理
- FPC導体表面の清浄化や酸化被膜除去を目的として、酸性の薬液で洗浄すること。
- 直Auめっき
- ニッケル下地なしの金めっき。
- 実装図
- FPCのどの位置に、どの電子部品を、どの方向で実装するかを明記した図面。
- ショート
- 電気的に接続していること。不良モードとしての導体パターンの短絡。
- シルク
- シルクスクリーン印刷のこと。また、シルクスクリーン印刷により表示される文字・パターンそのもの。
- シールドフィルム
- 電磁波カットの目的でFPCに貼り合わせる材料。一般に、絶縁層+シールド層+接着剤層で構成される。シールド層としてAgなどが用いられている。
- 信頼性試験
- 製品が一定期間安定した性能を維持できるか確認する試験。加速試験などが含まれる。
- スクリーン印刷
- スクリーン版のメッシュからスキージ(ヘラ)を使ってインクを押し出し、製品上に画像パターンを形成する印刷方法。
- スクリーン版
- スクリーン印刷に使用する版。合成繊維や金属繊維で織ったメッシュを枠に張り、インクを透過させない部分を乳剤でコーティングしたもの。
- スミア
- スルホール形成のための穴あけ加工において、主に接着剤が熱に溶けて穴の内壁面に付着することによる汚れ。スミアはスルホールの信頼性を低下させる要因となるため、スミアを抑制する加工条件の設定、もしくはスミア除去が重要となる。
- スルホール
- 複数の導体層を電気的に層間接続するための穴。もしくはその技術。通常、ドリルなどで穴をあけ、穴内壁に銅めっきを析出させることで形成する。
- スルホールランド
- スルホールを設置したランド。スルホールズレ公差を考慮して、スルホール径よりも一回り大きいランド径を設定する。
- 接着剤フロー、接着剤流れ出し
- カバーレイ熱プレス時、カバーレイ端部から接着剤が押し出され、導体表面に付着すること。ランドの有効面積が減少することになるので注意が必要。
- セミアディティブ
- アディティブ法とサブトラクティブ法を組み合わせた導体パターン形成方法。下地導体層の上にめっきを析出させて導体パターンを形成後、エッチングにより下地導体を除去する。
- 挿入端子
- コネクタ挿入用のFPC端子。通常、コネクタメーカにより寸法、厚みの推奨値が設定される。
- ソフトエッチング
- 銅箔の表層をエッチング液でわずかに腐食溶解させること。銅箔表層の清浄化や粗化が目的であり、エッチング量は厚さにして数ミクロン以下。
- ソフトAu
- 金純度の高い(99.9%以上)金。比較的硬度が低く、ワイヤーボンディング用のランドなどのめっきに適している。
タ行
- 耐屈曲性
- FPCの繰り返し曲げへの耐性。JIS規格に試験方法が定められている。
- 多層FPC
- 3層以上の導体層を持つ構造のFPC。ボンディングシートを介して複数の基材を積層して作製する。
- 多段プレス
- 熱プレスの方式のひとつ。常温のプレス板に、クッション材を介して複数枚の材料を重ねてセットし、所定のプロファイルにて加圧と昇温、冷却を行う。
- 断線穴
- 導体パターンを断線させるためにあける穴。例えばめっきリードとして配線した導体パターンが、最終製品として電気的に接続不要なのであれば、めっき後に断線させる必要がある。
- 断面観察
- FPCの断面を観察すること。SEMなどを用いて高倍率で観察するにあたり、切断面をきれいに整面する必要がある。通常、観察対象物をエポキシ系樹脂で埋め込んだ後、研磨装置により断面を整面する。
- チェッカー
- 電気検査装置。専用のプローブピン治具を作製してFPCにコンタクトさせ、各接点間に電流を流してオープン、ショートを判定する。プローブピン治具は比較的高価となるため、量産品向けの電気検査に適している。
- チップ部品
- 一般に、リード線が出ていない表面実装用の抵抗やコンデンサなどの電子部品。1608サイズから、1005、0603へと小型化が進んでおり、近年は0402以下のサイズも。
- 彫刻型
- FPCの外形などの打ち抜き(プレス加工)に用いる型。金属を切削して作製する。精度は金型と同程度であり、耐久性、コストは金型とトムソン型の中間といった位置付け。
- テキスタイル基板
- テキスタイル(布)上に導体パターンを形成した高機能FPC。
- デスミア
- プラズマ処理などによりスミアを除去すること。
- 手付け実装
- マウンター、リフロー炉といった機械、設備は使用せず、糸はんだとはんだごてなどを用いて手作業で電子部品をFPCにはんだ付けすること。
- 電解銅箔
- めっき技術によって銅を析出させて作る銅箔で、圧延銅箔に比べて屈曲性は劣る。厚くなれば高価になる。屈曲性を良くする為の処理をした特殊電解銅箔もある。
- 電解めっき
- FPCを陰極、めっきに必要な金属または不溶性電極を陽極として電圧を印加し、電流を流して銅や金などの金属をFPCの導体表面に析出させるめっき処理。導体パターン形成後のめっきにおいては、部位ごとの電気抵抗の違いによりめっき析出厚さが異なるという欠点や、設計上の制約(給電のための配線パターンが必要)があるが、短時間で効率良くめっき処理が行えるため広く採用されている。
- 電気検査、導通検査
- 導体パターンに電流を流し、電気的不良を検査すること。
- 伝送損失
- 導体パターンを流れる電気信号の劣化度合いのこと。単位はdB。特に高周波領域おいては伝送損失が高く、これを抑制するためにLCPなどの低誘電の材料をベースフィルムやカバーレイとして採用したFPCが浸透しつつある。
- 導体パターン
- プリント基板上の銅による配線パターン。
- 透明FPC
- 透明ポリイミドなど無色透明のベースフィルム、カバーレイフィルム、接着剤を用いて透明性を確保したFPC。厳密には導体パターンは透明では無いが、細線化することで視認しにくくしている。
- 導電化処理
- スルホールの形成において、ドリルなどで穴をあけた後、穴の内壁に導電性を持った物質を付着させる処理。スルホールめっきは電解めっきであり、絶縁性を持つポリイミドなどの上には析出しない。そのため、導電化処理が必要となる。
- 銅めっき
- 銅を析出させるめっき。電解銅めっきは、スルホールめっきとして採用される。
- 特性インピーダンス
- 導体パターンを電気信号が流れる時の電界と磁界の比。単位はΩ。電気信号の劣化を抑制するためには、回路のインピーダンス整合が求められる。
- トップ
- エッチングで形成された導体パターン断面は台形形状のようになる。この台形の上底のこと。
- トムソン型
- FPCの外形などの打ち抜き(プレス加工)に用いる型。土台となるベニヤ合板などの溝に、折り曲げた刃物を埋め込んだもの。金型より精度、耐久性は劣るが、安価であり試作FPCの製造に多用される。
- ドライフィルム
- 紫外線照射により硬化する性質を持った感光性樹脂をフィルム状にしたもの。サブトラクティブ法による導体パターンの形成は、ドライフィルムを基材銅箔にラミネートし、露光、現像、エッチング、ドライフィルム剥離の工程を経ることによる。
- トータルピッチ
- 挿入端子や圧着端子などの、各端子間ピッチの総和。すなわち、両最外パターン間のピッチ。
ナ行
- 鉛フリーはんだ
- 鉛を含まない合金はんだ。共晶はんだに含まれる鉛が有害とされ、それに代わるものとして採用が拡大。共晶はんだよりも実装時の温度が10~20℃高い。
- 抜きズレ
- 不良モードとしての打ち抜き加工時のズレ。特にFPCは温度、湿度により伸縮するため、抜きズレが発生しうる。
- 熱硬化型接着剤
- 加熱により硬化し、一旦硬化した後は温度変化によって軟化することがない性質を持った接着剤。
- 熱硬化性
- 加熱により硬化し、一旦硬化した後は温度変化によって軟化することがない性質。
- ネットワークアナライザー
- 高周波回路網の通過、反射電力の周波数特性を測定する測定器。各周波数ごとの正弦波の電気を測定物の回路網に印加し、各回路の電力と位相の変化量を測定する。
- 熱プレス
- 熱硬化型接着剤を硬化させるため、加熱と加圧を行う工程。埋め込み性、気泡、伸縮、シワなどに配慮した適切なプロファイル設定およびクッション材の選定が必要である。
ハ行
- バフ研磨
- FPC表面の清浄化や粗化を目的として、バフ(布など)にて研磨すること。
- バリ
- 穴あけ加工や打ち抜き加工において、材料の切断面に生じる突起のこと言う不良モード。
- ハロゲンフリー
- ハロゲンとは、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)などのこと。塩素や臭素を含む化合物は人体や環境に有害とされ、これらの物質の含有量が規定値以下のものをハロゲンフリーと呼ぶ。
- はんだ耐熱性
- FPCのはんだ溶融温度への耐性。JIS規格に試験方法が定められている。
- はんだフィレット
- ランド上に電子部品をはんだ付けする際にできるはんだの盛り上がり。その形状ははんだ付け良否判定の目安となる。
- はんだめっき
- はんだを析出させるめっき。共晶はんだめっきと鉛フリーはんだめっきの2種がある。
- パンチ、ダイ
- 金型の凸側をパンチ、凹側をダイと言う。パンチとダイの間に材料をセットし、プレスすることで打ち抜きされる。
- バンプ
- 半球状、台形状などの金属の突起。
- ハードAu
- 純度の低い(99.9%以下)金。光沢剤などの添加により比較的硬度が高く、挿入端子部などのめっきに適している。
- 引き剥がし強度
- FPCの製造においては異なる材料同士を貼り合わせ加工することが多い。これら異なる材料の接合部分の貼り合わせ強度のことで、密着強度とも言う。JIS規格にて試験方法が定められている。
- 微粘着シート
- 製品の保護やハンドリング性向上のため、FPC製造過程や出荷梱包においてキャリアシートとして用いられるタック性を持つフィルム。
- 表面実装
- FPC表面に電子部品を搭載し、直接はんだ付けする実装方法。SMT(Surface mount technology)。
- 表面処理
- FPCの挿入端子部、ランド部などの導体露出部に、防錆、保護、はんだ濡れ性向上などを目的として施すめっきなどの処理。
- フィルドビア
- 電解銅めっきは下地の導体上に一様に析出するものであるが、特殊な添加剤を用いることでビアの内部に選択的に銅めっきを析出させ、ビアが銅めっきで埋め込まれた状態にしたもの。これにより、多層基板において、ある層間ビアの真上に次の層とのビアを配置することができ、よりパターンの高密度化が可能となる。
- フォトレジスト
- カバーレイと同じ目的で、導体パターンを被覆する感光性樹脂。FPCへの塗布(スクリーン印刷)、露光、現像、硬化(乾燥)により形成する。カバーレイでは形成できない小径開口などの微細加工に適しているが、カバーレイより屈曲性は劣る。一般に、実装部品搭載部などをフォトレジスト、折り曲げて使用するケーブル部はカバーレイというように併用されることが多い。
- 部品リスト
- 電子部品のリスト。部品型番、リファレンスNo.、員数、Mount/No Mountといった情報が網羅されていることが望ましい。
- フライングチェッカー
- 電気検査の一種で、導体パターンの静電容量からオープン、ショートを判定するもの。プローブが移動しながら各接点にコンタクトするため、専用治具の作製が不要であり、試作や少量生産品向けの電気検査に適している。
- フライングリード
- プリパンチ構造のFPCにおいて、表裏の同一位置からコンタクトがとれる導体パターンのこと。
- ブラインドビア、BVH
- FPCにおいて2つの導体層を層間接続する技術。通常のスルホールと異なり貫通穴をあけないためランド部などにも形成可能。また、銅めっきが一層のみで良いため薄型化、導体パターンの高密度化に適している。NCドリルではなくレーザで形成するため、通常のスルホールと比較して工数は増え、難易度は高くなる。
- ブラシ研磨
- FPC表面の清浄化や粗化を目的として、ブラシにて研磨すること。
- フラックス
- FPC導体表面の酸化被膜や汚れの除去、はんだ濡れ性の向上を目的として、はんだ付け時に用いられる薬品。クリームはんだに含まれている。
- ブラックホール
- スルホールの形成における導電化処理の一種で、穴内壁に導電性を持つカーボンを付着させること。
- プリキュアー
- 予備乾燥のこと。
- プリパンチFPC
- 導体層が一層のみだが、表裏両側からコンタクトをとれる構造のFPC。銅箔の表裏両側をカバーレイで挟んで作製する。フライングリードの形成が可能。
- 防錆処理
- 表面処理の一種で、防錆を目的として導体上に水溶性プリフラックスなどの被膜を形成すること。防錆処理被膜は経時劣化するため、実装するまでの一時的な処理と考える方が良い。
- 補強板
- FPCの部分的な補強、厚さ調整のために貼り合わされる板。材質はポリイミドやPET、ガラスエポキシ、SUSなど様々。ポリイミドやPETなどの薄物を特に補強フィルムと言うことも。
- ボタンめっき
- スルホールの形成において、スルホール部分以外の基材銅箔をマスクした状態で電解銅めっきすることで、スルホール部分にのみ銅めっきを析出させる技術。これにより、スルホール部分以外の銅箔は薄いままとなり、導体パターンの高密度化や耐屈曲性の維持が可能となる。
- ボトム
- エッチングで形成された導体パターン断面は台形形状のようになる。この台形の下底のこと。
- ポリイミド
- 絶縁性、耐熱性、屈曲性を持つことからFPCのベーフィルム、カバーレイフィルムとして使用される高分子化合物。PIと表記される。
- ボンディングシート
- 一般にフィルム状の接着材のことであるが、特に多層FPCの層間接着に用いる熱硬化型接着材を指す場合が多い。
マ行
- マイグレーション
- 電界の影響で銅成分が導体パターン間の絶縁材上を移動することをマイグレーション現象と呼び、絶縁不良の要因となる。
- マウンター
- 表面実装において、FPCに電子部品を搭載する装置。電子部品はリール状でセットし、電子部品の種類、位置のプログラムに従って搭載される。
- マージン
- 空白。例えば、導体パターンから外形までのすきまを外形マージンと言う。クリアランスという言葉もほぼ同じ意味で使われる。外形クリアランスなど。
- ミアンダ配線
- 蛇行させたような形状に導体パターンを配線したもの。高柔軟FPCなどにおいて、導体パターンはベースフィルムより伸縮性が劣るため、ミアンダ配線とすることでそれをカバーする。
- 無電解銅めっき
- スルホールの形成における導電化処理の一種で、穴内壁に無電解銅めっきを析出させること。厳密には内壁だけでなく表層の銅箔全面に析出する。
- 無電解めっき
- FPCに電流を供給するのではなく、めっき液の化学反応を利用してFPCの導体表面に金属を析出させるめっき処理。部位ごとのめっき厚ばらつきが小さく、設計上の制約もない(給電用の配線パターン不要)が、電解めっきと比較して析出に時間がかかる。
- メタルマスク
- 実装用のクリームはんだをFPCなどの基板に印刷するための金属製の版。メタルマスクの厚みや開口率によって、はんだ量を調整する。
- めっきしみ込み
- カバーレイやフォトレジストの下に、表面処理のめっき液が潜り込む不良モード。
- めっきテープ
- 2色めっきのFPC製造において、非めっき部分をマスクするための耐めっき性テープ。めっき後、剥離する。
- めっきはみ出し
- 表面処理のめっきが、導体上だけでなくベースフィルムやカバーレイの上に析出する不良モード。
- めっき不着、めっき不のり
- 異物の存在などにより、表面処理のめっきが導体上に析出されない不良モード。
- めっきリード
- 電解めっきのための給電用の導体パターンのこと。
- めっきレジスト
- 2色めっきのFPC製造において、非めっき部分をマスクするための熱硬化型の耐めっき性レジスト。スクリーン印刷にて塗布、乾燥(硬化)することで形成。めっき後、剥離する。
- 面視
- 図面やガーバーデータなどが、どの面から見た図なのかを示す用語。例えば、片面FPCの図面が導体パターン面から見て描かれたものであるなら「パターン面視」といったように表現する。
- 面付け
- 複数のFPC個片を所定のサイズの面内に配列すること。
ラ行
- ランド
- 電子部品の搭載や接続用の丸型、角型などの形状をした導体。電子部品メーカにより推奨形状、サイズが定められていることが多い。
- ランド切れ
- スルホールの穴あけズレもしくは導体パターンの露光ズレにより、スルホールがスルホールランドからはみ出し、一部欠損した状態となる不良モード。
- 離型紙、離型フィルム
- 離型性を持った紙やフィルム。接着剤のセパレータや、熱プレス工程のクッション材として使用される。
- リジッド基板(硬質板)
- ガラスエポキシをベースとした基板。折り曲げ可能なFPC(フレキシブル基板)に対し、硬質板と呼ぶことも。
- リジッドフレックス基板
- リジッド基板とFPCのハイブリッド基板。実装部品搭載部などの高密度回路部はリジッド、折り曲げて使用するケーブル部はFPCというのが一般的。
- リフロー
- 表面実装において、電子部品のはんだ付けのためにクリームはんだを熱で溶融すること。
- 両面FPC
- ベースフィルムの両面に導体層を持つ構造のFPC。一般に、両導体層間はスルホールにより接続される。
- ルーター加工
- NC加工の一種で、座標データにより指定される軌道をドリルが回転しながら動く。試作FPCのカバーレイや外形などの穴あけ、切断に用いられる。
- レーザ加工
- レーザ加工機にてFPCのカバーレイや外形などの穴あけ、切断を行う加工。レーザの出力量を調整することで、例えば片面基材のポリイミド層のみを除去するといった加工も可能。レーザの種類にはUV-YAG、CO2などがある。
- レーザプリパンチ
- レーザ加工により基材のポリイミド層を除去することでプリパンチFPCの構造にすること。
- 露光
- ドライフィルム、フォトレジストなどの感光性樹脂膜に紫外線を照射すること。焼き付け。